2019

新年に想い廻らし息をつく 変も不変もどちらもほしい
愛なんて無くていいから「キスしてよ」煙草だけじゃあ口寂しくて
愛しては呉れないひとをいとおしむ 未だ諦めてなんてないから
きみとぼく綺麗な記憶の奥の奥閉じこもるだけ 耳を塞いで
あの日々の心の内を切り取って箱に仕舞って鍵をかけるの
気遣いをくれる友とは電話越し顔の見えない茶会たのしむ
春咲きのゆき柔らかな笑み胸に西旅立てる路を見送る
かわいくてもったいないと言いながらケーキを崩す 胸の高鳴り

2018

紙白い画面も白い真っ白け頭空っぽ何かカカネバ
最近の悩みを少しこぼします 立つと視界がホワイトアウト
まっさらなノートに描く夢と夢 今年ひとつは叶えるつもり
アンダーザローズと笑う女生徒が 埋めたものは きっと 私で
其の胸に抱く緋椿か散り際は風に穿たれ首から落ちる
じんとした花冷えの朝ものがなしニオイスミレの香ぞかき抱く
思うより小さき蛍ゆうらりと生と恋とにその身焦がして
初夏の夜空気震わす大輪の花を見上げるセンチメンタル
不意打ちで「ありがとう」言い笑む子ども 照れて逃げてたあの頃いずこ
あめふりの夜が明ければ庭先の露をたたえたきらり紫陽花
反省はしているけれど焼きプリン私のだからだからあげない
キャラコラボずるい卑怯と思えども筆入れ埋めるSARASAクリップ
二十一グラム「僕ら」は重過ぎて頭の中で誰か わらった
秋桜の摘みて迷いし花占いためらう指で花束とする

世界ごと愛おしむよに撫でる手と抱きしめる腕 創り出す指

秋空と女心を比較して手折る桔梗の想い噛みしむ

衣替えすれど続くは悪天候 秋は短し粧えよ乙女

75のリズムで

心から泣きたがっては感情が麻痺していくの。涙? 忘れた。
どうしても隠していたい。君だけに「さみしい」なんてたった四文字。
誰だっていいよ(よくない)自己矛盾。ハグしてほしい夜だってある。
始まってすらもないのにお終いの準備ばかりと聴く失恋歌
なくしたくない関係が降り積もる乗り損なった銀河鉄道
抑えたい(何を? 心を?)堪らずにリスパダールを二包突っ込む
ぼんやりと詐欺師色した爪先も露わに踊る君は微笑む
凍て空の過ぎてにわかにひかりふる梅花うららか踏み出す一歩
降り積もる真綿を濡らす涙雨おもいくるまれ春を待ってる
カラフルとメロウを詰めたペンポーチ嘘のようだね胸は黒白
「また暑くなるまで伸ばす」けらけらり 在りし日想うあおい黒髪
泣きたいしねむたいけれどまだ我慢(キミの電話に明るく出なきゃ)
今日もまた仮面貼り付けヘラヘラの「いつも通りの私」を装備
「私より清い心でいてくれ」なんてだだのエゴだよそうエゴだ
なんとなく誰かとキスがしたいとか思っちゃいます寒いからです
思い出す夢の一夜の語らいのともの優しい筆の滑らか


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